東山代町脇野地区に木々が生い茂る小高い丘がある。
桜で有名な明星桜の少し先。
振り返れば伊万里湾を一望できる。
干拓が出来る前は小高い丘の麓まで海岸があったことが容易に感じ取れる。
一歩足を踏み入れると目には見えないが日常と非日常の境界を感じる。
木々から差し込む光が岩場に彫られた仏像や石塔を照らし独特な雰囲気を醸し出している。
そこが白蛇山岩陰遺跡。
旧石器時代から縄文時代まで人々が暮らし、近世では密教の修験場として、
また、宝積寺の奥の院になっていた。
このような旧石器時代から近世まで、歴史の積み重ねを同じ場所で見れるのは佐賀県内の遺跡でも珍しいようだ。
神隠しにでもあったのではないかと思うくらい外界の音が入ってこない。
ただ、聞こえてくるのは沢と木々の葉の音ぐらい。
こんなひっそりとした空間に古代人が生活を営んでいた。
色々な情景が浮かんでくる。
これからもひっそりと先人の営みを静かに語っていく場所だと感じた。
※駐車場無し。
※足元には十分に気を付けてください。